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最後の恋は甘めの味で

第41章 あれ?言ってなかったっけ?

その頬はどこか赤らんでいるようで。


その赤みは久々の近況報告を思い出してなのか。


俺の事を息子に知られてしまっての恥ずかしさからなのか。


どっちにしろ息子関連な気がしていい気分はしなかった。


「そしたら、今こっちにいるから真也に会いたいって......」


息子さんのその会いたいはどういう意味を持っているのだろう。


暁さんの説明の仕方にもよるけど


大事な母親をたぶらかした男に制裁をってことも有り得るわけで。


「ね?真也、会ってくれるよね?」


余程自慢の息子なのか暁さんはキラキラした目で俺を見ていた。



あぁ、そうだよな

息子のお嫁さん見に行くためにわざわざカナダまで赴くくらいだもんな



俺の胸の内にもやもやと黒い塊が溜まる。


「分かりました。いいですよ。いつですか?」


そう承諾はしたものの俺の頭はもう息子を負かすことしか考えていない。


そんなことは知らない暁さんは嬉々として予定日を答えた。

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