男子寮
第15章 利央×快斗 欲しいのは…
それから漣斗はボッコボッコにされて、気絶するまで殴られました。
「で、日向みた?」
「見てないっす。」
快斗を寝かしつけたあと、ヘラっとした椿先輩と少し飲んでいた。
「聞いてよ!日向が女の子と歩いていたんだよぉぉぉ!俺との約束ドタキャンして!ひどいだろお?」
酔ってるな(笑)
「やっぱ男同士ってのがダメなのかな?」
あー、その気持ちわかります。
「そうすっね…」
俺たちは男同士で、籍を入れるといった形にのこる永遠が保証されない。
結局は口約束であって、お互いがすれ違った瞬間終わる。
目には見えない永遠をいくら誓ったところで、不安な気持ちは不安なままだ。
相手が幸せになるには、自分は本当に必要なのか。
「いろいろ考えても仕方ないのに、不安な気持ちは晴れないままで、快斗に俺はふさわしいのか。」
「わかるわかる。日向って他校からの人気すごくって、今日の子も他校の女の子でさ。自信なくなってきた…」
「快斗なんて狙ってる人多すぎて、もう俺じゃなくても…とかたまに思います。」
「お互い大変だな(笑)」
「はい(笑)」