男子寮
第16章 日向×椿 好きだけど… (ss)
椿side
幼馴染みって聞いたとき、死ぬかと思った。
俺の知らない日向を知ってる人がいる。
その子は可愛くて、
「自信ないよ…」
今までだって、こんなことは何度もあったのに、どうしてこんなに辛いんだろう。
「日向…、」
そんなのわかってる。
今回はお似合いすぎた。
まるで映画を見てるようで、日向の隣で笑うあのこも、並んで歩く日向も、なにもかも…。
現実を見た気がした。
お前はあんな風になれるか?
そう言われた気がした。
なれない。
俺は、あんな風になれない。
俺は、日向にふさわしくないのかもしれない。
日向は俺と付き合うことで、本当の幸せを見逃しているのかもしれない。
俺は、どうするべきなんだよ