男子寮
第16章 日向×椿 好きだけど… (ss)
コンコン
「はーい、」
俺は玄関に近づく。
「開けなくていいから」
その声に俺の動きはピタッと止まる。
「うん…、大丈夫。入って」
俺は日向を入れる。
「…………、」
気まずい…。
「椿、お前は俺だけ見てろ。これからずっと。お前が見るのは、不安なんかじゃない。俺だ。俺だけ見て、俺だけ信じて欲しい。俺はお前を裏切らない。お前が好きだ。」
「いきなりどうしたの?」
駄目だ…、泣きそう
「ふさわしいとか、そんな下らないこと考えるな。俺は嫌いになったら振る、だいたい俺はお前しか見てない。男だからとか、そんなこと次いったら殺すぞ、ふざけんな、俺は…、っ。俺だって、不安なんだよ…、くそ!」
「日向…」
始めてみた。
泣いてる。
日向はその場にへたれこんで、体を震わせながら泣いている。
「俺の嫁になれよ馬鹿。」
「言われなくても、日向だけの俺だから、好きだよ」