男子寮
第18章 快斗×利央 醜い感情
しばらく泣いていると、西崎が口を開いた。
「よくわからなくてもいい、完璧な言葉にしなくてもいい。だから、伝えてみろ。何がよくて、何が嫌なのか、好きなのかどうか。お前の本当の言葉で伝えてこい。」
やっぱこの人は大人だ。
「つぎはぎの言葉でいいじゃねぇか、な?」
「バカっ、バカバカァ…」
「あいつはきっと、そのままの快斗を好きになったんだからさ。」
あぁ。もう、涙が止まんないよ。このおっさんのせいだ。
―――――コンコン
「ほらよ、噂をしたらってやつじゃないの?」
「え。」
「俺は行くから、頑張れよ」
そう言って、西崎は職員用出入口から生徒会室を出た。