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秘密の時間は私のもの

第8章 藤塚亞




「藤塚氏、ボーッとせず質問に答えて下さい。今日もシないおつもりですか?私と颯太くん、ずっと待て状態なんですが」

「.......なんでお前いるんだよ」

「何を今更。そういう条件で許可を得た筈ですが」



こいつ、俺らが恋人じゃなきゃダメってことじゃねぇのかよ



俺の予感は大幅に外れたらしく


平然といる上、行為をしていないというのに


見えるスケッチブックには既に何かが描かれていた。



「......スるよ。スりゃいいんだろ」

「そうです。貴方の取り柄なんてそんなところくらいしかないんですから」



......この、女.....



なんでこいつはこんなに上から目線なんだ。


今日という今日は何だかやるせない。



「滝波、お前、俺と颯太で態度変わりすぎなんだよ。改めろ」

「......?」



お惚けを噛ます、滝波にカチンとくる俺。



「ずっと思ってたんだ。今日こそ、改めてもらうぞ」

「えー?なんのことですかー?」

「お、ま、え、なぁ」



こんなふうになんやかんや言い争いながらもどうせ今日は今日とて


こいつが見ている前で颯太を抱く自分がいるんだろうな。

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