秘密の時間は私のもの
第9章 立川颯太 前編
僕は昔から少し普通じゃなかった。
と言ってもそんな幼い頃から悟っていたわけではない。
悟ったのはそうだなぁ。
幼稚園年長の頃合だと思う。
女の子がかっこいいという男の子を
女の子視点でかっこいいと言ったらその男の子に
“気持ち悪い”
のお言葉を頂いたその時から
自分はおかしいのだろうか?という疑念を持ち始めた。
小学校に上がり、それは確信へと近付く。
あいつが好きだ
あいつはエロい
あいつは可愛い
そんなことを言っている男子に恋をしていることに気付いた。
男子達が言うように可愛い子は可愛いと思ったし
エロ.....ぃ....子はそうだなって思ったけど
そんなことよりと追う視線の先にはいつも男子がいた。
それを両親に相談をしようとした際
見えた両親が極普通に見え、怖くなった。
僕がこんな相談を持ちかけたら両親に変な負担を与えるんじゃないか、って。