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秘密の時間は私のもの

第10章 立川颯太 後編







“僕は僕のままでいい”



そのような言葉を僕にくれ、心を軽くしてくれた上野に


僕の心は一気に持っていかれたわけだけど。


ノーマルである上野とそうでない僕が結ばれる可能性なんてゼロに等しいわけで


分かっているから伝えるものもない。


そんなんで、特になんの進展もなく季節は過ぎゆきそろそろ冬に差し掛かる頃。


問題なのは、相も変わらず僕の後ろの席を陣取っている上野に


僕の心臓がひっきりなしに鳴ることくらいで。


あぁ、そういえば、それの理由を聞いた時があったっけ。



もしかして、僕が....ちょっと気になる、とか.....?



そんな僕の微かな期待を上野は



「お前、成績優秀だろ?お前の後ろにいれば当てられない。天国」



そう答え、一瞬で打ち砕いた。


気にしてないけどね。うん。


それに僕はそんな日常が何処か心地よくて。


愛しいとも感じていたんだ。


そう.....














あんなことが起きるまでは











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