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秘密の時間は私のもの

第10章 立川颯太 後編




悔しい...悔しい......

こんな、奴に.....



ぎりっと歯を鳴らすけど僕には立ち向かう力さえない。


無力な自分に腹が立って仕方が無い。



「あー、そうそう。今日、なんかハマっちゃった奴も多いみたいだしまた来たら相手してやってな

まあ、立川くんみたいな淫乱は嫌でも相手するだろうけど」



そんな言葉を吐いて、柳は僕の視界から消えていった。


数人名残惜しそうに僕を見ていたけど、そのうち諦めたように柳の後を追っていった。


柳の言っていたハマった奴もあの中にいるんだろうか。


だったらこの未だ疼く身体を........


そこまで考え、ハッとし、顔を両手で覆う。


.......あぁ、僕はどうすればいいんだろう。


この気持ちを一体、どうやって.....


上野に救われたその心は再度、深く暗い闇へと落とされたのだった。

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