
秘密の時間は私のもの
第10章 立川颯太 後編
「ずっと思ってたんだ。今日こそ、改めてもらうぞ」
「えー?なんのことですかー?」
「お、ま、え、なぁ」
相変わらずの2人のやり取りを見てそんなことをふと思い出した。
その後、 亞が来て、何故か言い当てられ
“何でもする”と発言したがためのこの関係だもんなぁ
そういえば葉結ちゃんのときも僕のこの発言が始まりだったっけ
僕、自分のこと安く売りすぎだよ
ははっと薄く笑い漏らし、ハッとする。
.....あ、れ?
僕、笑ってる?
あの頃を、思い出して?
あの時、確かに僕は辛かった筈なのに...
そっか....僕の中ではあの時のことちゃんと精算、できているんだ
僕、少しは成長しているんだ
まあ....あの恋が、まだ“終わっていない”ってのもあるんだろうけど。
それもこれも、亞のお陰なんだと思う。
秘密の代わりにセックスを要求されたのは事実なんだけど
亞はそれとは別に、僕に条件を出したんだ。
