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秘密の時間は私のもの

第12章 あのあとの2人

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「.......なるほどな」



男の話が終わり、漏らす一言。


本当の自分を隠し続け、見付けてくれた人に恋をし


想うくらいならと日々を過ごしていたところの、突然の輪姦。


挙句の果ての失恋。


確かに泣きたくもなるし同情を誘うような話だ。


だけど、どうにも引っかかる。


この話の終わり。



失恋 とは

恋する相手への気持ちが成就しないこと。また、恋愛が何らかの形で終止符を打たれること



だよなぁ....



スマホで調べた結果を頭の中で唱える。


唱えて得るのは


こいつの恋はまだ“終わってない”という訳の分からん確信。


んーっとなんでそんな確信を得るのか悩んでいると男が言葉を漏らす。



「しょうもないでしょ。1人の男が男に恋し、輪姦され、依存症になって、失恋したお話。笑いの種にもならないよね」



はは、と自嘲気味に笑い、そのことを思い出したのか


今までさんざん我慢してきた筈の涙を容易く1粒流す男。

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