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秘密の時間は私のもの

第12章 あのあとの2人

それを乱暴に拭い、無理に笑みを作る男を見て


先程の確信は確かなものとなった。



だって、こいつ、泣く程その男をまだ想っている

第一、告ってもねぇのに失恋っつーのもおかしな話だもんなぁ

まあ、その男が他のヤツを好きになった、とか

他の誰かと付き合ったってんなら無い話じゃねぇんだろうけど

そうじゃないなら、その少しの可能性にかけて今からでも



「告ればいいのに」



心の声に続き、漏れた小さな声。



やっべ....言ってどうすんだよ.....



聞こえてないことを祈るも、男はすぐ隣に座っていて。


嫌でも聞こえたのだろう。


怒るでも悲しむでもない微妙な表情で男は俺を見た。



「なに、言ってんの.....?相手、ノーマルだよ?そんなの無駄に決まってる!」



......なんというか、こいつは何もせずに

相手がこうだからと決め付け、無理だ無駄だ、と

それで悲観ぶってお涙頂戴、ってか?



こいつの考え方が行動が俺の内にイライラを溜めていく。

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