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秘密の時間は私のもの

第12章 あのあとの2人

そんなもの、放っておけばいいのに


一言、二言、物申したくて仕方ない衝動に駆られる。


そんな衝動は



「僕の気持ちなんて君に分かりっこない!適当なこと、言わないで!」



男のその言葉により弾けた。



「あ"ーうっぜぇ」



声にドスを利かせれば、男がビクリと肩を揺らしたのが分かった。


追い打ちをかけるようにギロリと睨めば


男はひぃと声を漏らし、小さくうずくまった。



「“好き”の一言も言わず、無理だ、無駄だ。そういうネガティブ発言は告って振られてから言いやがれ」

「っ.....だ、だって、あんな事言っちゃったし、も」

「まぁた、ネガティブ発言!うっぜぇ!!話す話さない、受け入れる入れない、決めるのはお前じゃねぇ。相手だろ」



強く真っ直ぐ男の目を見れば、微かに揺らいだのが分かった。


そこで自分がなにやら強く語っていたことに気付く。



俺、何、言って......はっず.......



男から目を逸らし、赤くなっている筈の顔を隠す。

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