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秘密の時間は私のもの

第14章 「久しぶり」






なんで、あんなことを、言ったんだろう



あの場を離れてからずっと頭の中を回るそれ。


あれじゃまるで八つ当たりも甚だしい。


2人の言い合いなんて今に始まった訳じゃないのに。


それなのにいきなりなんだっていうんだ。


葉結ちゃんに嫉妬だなんて。


今までだって亞はモテたから、嫉妬なんて腐る程してきた。


その度に4つ目の条件が頭を過ぎった。


でも、そんな僕を見ても亞は何も言わなかったから


それは亞にとって4つ目に入らないのだと勝手に解釈をしていた。


そもそも今までしてきたものは恋情のそれとは少し、違う気がして。


男としての妬み。


あるいは友達感覚と自分で認識していた。


亞もそれを悟っていたのかも知れない。



だけど.....だけど、今回のこれは....

葉結ちゃんに抱いた、これは



今までのどんな嫉妬より深くドス黒いもので。


これじゃ、まるで......


本当の嫉妬のようじゃないか。


亞は、気付いたのだろうか。


今までとは違うこれに。

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