秘密の時間は私のもの
第1章 秘密の時間
屋上は立ち入り禁止。
そのため屋上への階段の踊り場は誰も通らない。
人が通らないこの場所は俺らにとって好都合なわけで。
今日は今日とて響くのは肌同士がぶつかり合う音と喘ぎ声。
「ぁ、ひぁ、あ、ぐ」
ぱんぱんぱんぱん.....
リズム良く打てば、それはもっと甘く官能的になる。
俺、藤塚亞(とうつかつぐる)と
立川颯太(たちかわそうた)は毎回、放課後になると
この秘密の時間を過ごすことになっている。
この時間は誰にも知られることはない。
いや、知られてはいけないんだ。
理由:俺も颯太も”男”だから?
まあ、あながち間違ってもない。
本当の理由は違うけど。