秘密の時間は私のもの
第17章 お前とあいつと俺の気持ち
なぁ、立川。
今だから言えることだけど
俺、あの後、あの場所に戻ったんだ。
なんでって問われれば
お前と友達でいたかったから
なんて単純な答えが出てくる。
あの言葉の後に咄嗟に
俺は友達でいたい
って出てくりゃ良かったんだけど
出てきたのはあんな嘘で。
謝ってちゃんと仲直りを、そう思って戻ったのに
そこにいたのはお前だけではなかった。
入学式でかなり目立っていた男が、お前の隣を陣取っていて
もう何もかも遅いのだと言われている気持ちになった。
結局俺はお前の前に姿を現せずに元来た道を戻っていった。
友達じゃないと否定され、それを受け止めてしまい
謝りさえ出来なかった俺。
俺のあの言葉通りもう一生関わることはないのだろう。
思っていた矢先。
耳に入るは男の名前。
藤塚亞
女子から有り得ないくらいの人気があるのに
全く相手にしない、そんな有名人だと知る。
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