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秘密の時間は私のもの

第21章 説明してもらおうか

どう俺が思おうと滝波が気にする筈もなく


それどころか、全員に言いたいことが言えて満足したのか


すっきりした顔までしている。



そうだな。お前はそういう奴だ



全く変わっていないその様子に、変な安心感と呆れが俺を包んだ。


まあ、たかが1週間で人が変わることもないだろうが。


同時に変に頭に上った血も引いていく。



そういや、上野もなんかカッカしてたよな



ちらりと見れば、上野も上野でもう冷静さを取り戻しているようで


気まずそうな雰囲気を醸し出していた。


その雰囲気の意味、少し悩んだが


思い出せば、出てくるは、颯太が傷付くような言葉を平気で言っている上野。


そして、目の前には下を向いて暗い雰囲気に包まれた颯太。


そりゃあ、気まずくもなる。


自業自得とも思うが、なんだかモヤッとするものが胸を覆う。


どうしたものかと悩めど、結局俺はいい案が浮かばないため


視線を滝波へと戻す。


滝波は、あっさり俺の意図を汲み取ったようで、はぁと深い溜息をして下さった。



どうせ役にも糞にも立ちませんよ



ひねくれながらも、やっぱり安心感を得る俺。


いつからMになったのか。


こんなこと、滝波に知られたら大変だと


極力バレぬように、平静を装うが


滝波の顔からしてもうバレているらしい。

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