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Calling Fall

第2章 儚く散るように







「いままでどうしていた」



「……」



「どこにいた」



「……」






「なんで消えた」








何もかえってこない


なんで何も言ってくれない




どうでもいいのか


忘れているのか


答える意味も必要もないのか









いつのまにか立ち上がっていたぼくは


ゆっくりと足を踏み出し



どんどん



はやく



彼女に近づき






手を伸ばせば届く距離



そこにきて止まった








せきとめていたものが


雪崩のように


出ていきそうだ




苦しい
















「ねえ

わたしかわった?」










「かわった、か……

いや、かわってない
あの頃の君もいつも
今と同じようにみえていた
笑ってなかった」






少し驚いた彼女は






「そっか」






なんだか嬉しそうに


小さくわらった







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