モーテル305号室
第2章 初めまして、○○です。
ドアの前で深呼吸。
よし。
ノックをして、扉を開ける。
愛想良く、元気良く。
大丈夫、できる。
大丈夫大丈夫大丈夫。
呪文のようにとなえる。
……「こんばんはー。ブレンダのツバサです♪ 」
「こんばんはー!」
うわー。勝手だけど想像していたおじさんではない。
完全肥満体に
細い目、なんていうかねっちょりしてる……
笑わなきゃ。
「あっ。宜しくお願いします。」
「今日が完全に初日なんだよね?
よろしくねー。かわいいねー。へへっ」
「わー!全然可愛くないですよお!
そおなんです、初めてでドキドキしちゃって……」
我ながら物凄いブリっ子だと思う。
「話し方も可愛い!仲良くなろうね!
いっぱいいちゃいちゃしよう!
キス、してもいい?」
……歯磨きは?
なんて考えてるうちにねっとりとした
舌が入り込む。
うおえええっ。
あっやばい。時間聞なきゃ。
「ンッ……はぁ……ンンッ」
吐息を混ぜて感じてるふり。
「あっあのぉ。時間聞けって言われてるので……
お店に電話かけなくちゃ……」
「あぁ、そうだったね。
120分で。」
……120分!?2時間?!こいつと?!
うそでしょ?!
と思いつつもう後には引けない。
それにしてもこいつ、くせーな。
「わぁ~ありがとおございまあす!
電話しちゃいますねえ!」
プルルルルー
「はい!」堂本さんの声だ。
「えっと、120分でお願いしまあす♪」
楽しそうに。
「おおー、了解!32000円もらってねー!がんばって! 」
つらい。
「32000円だそうです!」
「はい♪これ!ツバサちゃん、ぼく、もう、
我慢できないようぅ。」
……ぼく?
「えへへっ。まだですよぉ!
お湯、ためなきゃいけないみたいで 」
「お湯はもうためてあるよ!
歯磨きしなきゃだめだよね?」
当たり前だろー
「あっそおですねっ。
一緒に磨きましょ♪あと、イソジン、
だったかなぁ」
「はーい♪」
楽しそうだなあ。
このねっとりモンスター。
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