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黒の青空

第8章 6

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『よぉ』


また来たのかよ


『何度でも来るって言ったろ』


…今回はなんやねん


『お前、気をつけろよ』


何に?


『周りにだよ。ちょっと危ないかもしんねぇよ?』


だから…何がどんな風に危ないん?


『これ以上親切にすると面白くなくなるからな。この先は言わねぇよ』


なんやねん、それ…

お前は俺の味方なんか、ちゃうんか、どっちや


『面白い方に傾くよ』


ケタケタ笑うもう一人の俺


『まぁーでもー…気ぃつけなー?』


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「集中しろあほーーー!!」


スパーンッと頭を叩かれた


「いって!!!!」


横を見ると内谷が丸めた台本を手にして俺を睨んでいた


「お前いつ自分の台詞言うねん!後輩が困っとうやろ!」
「あ…ご、ごめん…」


目の前の後輩に謝った

が、内谷は横からまた怒鳴る


「撮影日は忘れるし、撮影に集中せえへんし、しっかりしいやー!これうちらの卒業制作でもあんねんからなー!」
「撮影日忘れてたのは先週の話やん!ごめんってば。そんな横で怒鳴んなや耳死ぬわ」
「殺したるわ!」


こんなんやけどいつもと同じだ

今は部活

映画部で撮影中だ


「内谷先輩ぃー、確認お願いしまーす」


別の後輩が内谷を呼ぶ

撮影担当の理緒がいない今、撮影の仕事まですることになった内谷

理緒がいるときは理緒が確認をして、よければ内谷に見せて改善や内谷の意見を聞いたり、役者側にも見せたり

理緒の仕事が上乗せされて内谷も忙しい

申し訳ないことしたと思ってるけど…


「ごめんな、内谷」
「んー?あー、別にー。とりあえず次集中してもっかい今んとこからな。ぼけっとせんといてよ」


もう怒鳴らなかった

疲れがちょっと見える








予告なしに来るもう一人の俺

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