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特別刑務所(仮)

第15章 誕生。

学校へ向かう途中誰も佐野の事には触れなかった。
それは何となく想像がつくから。だと思う。
少し重い沈黙が続いた。


「あのさ」

その空気を破ったのは狩野だった。
その声に皆がなに?と耳を傾ける。

「明日、11月30日じゃん・・・」
「そーねー!あ、増田さん!」

瀬川が理解したようで楽しそうに答える。

「あ、うん。希沙が察するように清臣の誕生日で・・・」
「ハッピーバースデーだね!」
「それで、プレゼントをね・・・悩んでて」

なるほどー。
それは一大事だ!と、瀬川が言う。
そう言えば九条はいつなんだろう?

「じゃあ、夕日お前で良いじゃん。」
「ちょ、練真面目に考えろよ。」
「あ、じゃあ、可愛い格好して俺を食べてで良いじゃん!」

瀬川も佐野に同調する。
狩野は呆れたように二人をあしらうと俺に聞いてきた。

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