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私は官能小説作家の素材

第6章 束縛の証

外から、クスクスと笑いが溢れているのが微かに聞こえた。

この時やっと、我にかえった。


「……何してるんだろ…私」


息を殺し、密かに期待をしてしまう自分がいた。でも、今更引き返すなんて嫌なこと。

素材とか、なんとか考えているのもちょっと不思議に感じた。


布団を剥がされ、涙目を隠すのが遅れて丸見え。綾葉はキョトンとしてこちらをじっと見ている。



「あ…あ、いや!何でもないから」


「そんな顔、俺以外にも見せてんだろな…」



彼が言った言葉は、この時全然分かっていなかった。





「ちょっと首出して」




―――は?!

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