妖魔滅伝・団右衛門!
第7章 さすらい団右衛門
だが団右衛門は答えず、嘉明の素肌を撫で愛していく。嘉明の夢なのだから、嘉明が答えを持たない問いに、答えが返ってくるはずがないのだ。馬鹿な事を聞いたと自嘲すると、嘉明は身を任せ目を閉じた。
「……嘘でも真でも、もはや関係あるまい。どちらでもいい」
団右衛門の手は、嘉明を喜ばせようと優しく触れていく。普段は傲慢で自分本位のくせに、抱き合う時はいつもそうなのだ。優しくされれば嬉しい。嬉しいから感じる。かつて団右衛門の言った通り、嘉明の身を支配するのは、心地よさだけだった。
喜びでしとどに濡れる嘉明自身に、団右衛門の大きな指が絡む。滑りを得たそれはやがて後ろに回り、閉じた性を開かせる。
「んっ……」
高鳴る心臓が空気を求め、荒く息を吸えば、菜の花の香りが肺に浸透していく。体の中まで夢に染まり、嘉明は団右衛門を引き込んだ。
頭を支配するのは、団右衛門の全てを欲しいと望む情欲のみ。解され濡れた孔に熱いものを突きつけられると、自ら腰を浮かせた。
先走りを垂らした団右衛門の逸物が入り込む瞬間、耳元に団右衛門の吐息がかかる。そして今まで黙ったままだった団右衛門が、この時初めて声を上げた。