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妖魔滅伝・団右衛門!

第7章 さすらい団右衛門

 
「……きっとそれは、お前と呑む酒が美味いせいだ」

 どうして団右衛門は、嘉明に何も告げず出て行ったのか。その先で何をして、何を得て戻ってきたのか。話さねばならない事は山ほどあるのに、嘉明も団右衛門も理屈など頭になかった。触れ合う肌の心地よさ、まるで一対であるのが自然であるかのような馴染みに、ただ身を任せる。

「ん……」

 唇を重ねれば、どちらからともなく舌を絡め合う。人払いもしていない中庭で、いつ誰が通りがかっても不思議ではない場所だが、心の奥から湧き出る欲求は溢れて止まらなかった。

 さすがにここで脱ぐのを躊躇った団右衛門は、嘉明を自身の上に座らせ、寝巻きの間から手を潜らせ愛撫する。敏感なところに触れるたびぴくりと震える体が愛おしく、団右衛門は夢中で嘉明を貪った。

 月明かりしか頼りになるものがないため見えないが、嘉明の胸はおそらく取れてしまいそうな程赤く熟れている。摘み力を軽く入れると、密着する下半身を擦らせた。

 僅かな理性が声を我慢させているのか、嘉明の息は浅く乱れる。甘い吐息を吐き出し白い喉が目の前に晒されると、かぶりつかずにはいられなかった。
 

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