妖魔滅伝・団右衛門!
第7章 さすらい団右衛門
今まで様々な国をさすらい、歩いてきた中で、これほど団右衛門を信じる人間はいなかった。流れの退魔師など、正規の兵に比べ軽んじられるのは当然だったのだ。
「オレ、あんたが好きだ。あんたのためなら、命も張れる。一生……あんたに仕えたい」
「そんな事、とっくに承知している。だから私も……許そうと思えるのだ」
団右衛門のものが一段と大きくなり、嘉明は息を詰まらせる。団右衛門は腰の動きを早めながら、嘉明に囁いた。
「な、察しろって言うだろうけどさ。オレにもくれないか? 好きって証をさ」
嘉明は閉じていた目を開くと、強請る団右衛門の顔を覗く。嘉明を体の奥まで支配しながらなお求める欲張りな男は、存外自信のない顔をしていた。
「……本当に、勝手な奴だな」
嘉明の声は、言葉に反して柔らかい。そして団右衛門の頬に口付けると、抱き締める腕に力を込めた。
「私には秀吉様に仕える指命がある。そのため、守らねばならないものも沢山ある。いつでもお前だけを優先して動く事は出来ない」
「嘉明……」
「しかし、後にも先にも、私がこうして体の奥まで許すのはお前だけだ。お前以外を受け入れるつもりはない」