妖魔滅伝・団右衛門!
第3章 加藤と加藤と団右衛門
団右衛門は指を増やしながら、嘉明に問い掛ける。あくまでこの交わりは、治療と、鬼から身を防ぐための予防。嘉明をかしずかせていても、最終的に決定を下すのは嘉明自身。話し合いの結果、朝に口で精を得るだけの日、夜に交わるだけの日と、休みの日を間に挟むと決めた契約を破れるのは、嘉明だけであった。
契約を受けた時点で、団右衛門はそれを毎日朝晩交わると変更させる事を目標にしていた。そのためにまず団右衛門は夜に最大限の喜びを教え込ませ、朝も後ろを使わせたくなるよう仕込もうとしていたのだ。
「う……くっ」
だが、あくまでこれは恋人同士の行為ではない。簡単に嘉明が団右衛門に狂う気配はなかった。
嘉明は一度大きく息を吐くと、深く団右衛門をくわえ直す。煩悩を振り払い、団右衛門を絶頂に押し込もうと、音を立てながら吸い上げた。
「ばっ……んな、されたら……くうっ!」
団右衛門は嘉明の責め立てに負け、精を放ってしまう。嘉明はしてやったりと言わんばかりに口の端を釣り上げると、苦く飲みにくい白濁を躊躇いなく飲み込んだ。
「今日はこれで終了だ。残念だったな、団右衛門」