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A heart and wound

第6章 揺らぎ

足取りが、ひどく重く感じる。

…翔さんの前では、平気なふりしてたけど、

俺だって動揺してる。

大野さん、

何を、考えてるの…⁇

俺の推測は間違ってたのかな?

3人のいる楽屋の前について、一つ深呼吸をし、ガチャ、と扉を開けた。

中に入ると、そこには重い空気が漂っていて。

…ただ一人、潤だけはその空気に戸惑ってるみたい。

俺が入ったことで、真っ先に反応したのは、相葉さんだった。

雅「…翔ちゃんは?」

相葉さんは、俺に対抗心剥き出しって感じで。

…楽屋が別なのも、理由が他にあるって気付いてんだろうな。

収録中の翔さん、明らかにおかしかったし。

和「あー…今、手が離せない状態だから、俺が代わりに荷物取りに来たの。」

雅「へぇ、そう?…じゃあ、翔さんに今日、家行くねって伝えといて。」

和「…あ、なんか今日忙しいらしくて、家に帰る暇ない、みたいなこと言ってたよ?」

雅「翔ちゃん、今日これで終わりなはずだよね?」

怪訝そうな顔で俺を見る、相葉さん。

そんな俺たちの様子を、心配そうに見る潤と目が合った。

潤「…急に仕事でも入っちゃったんじゃない?ほら、翔くん忙しいし。」

潤が、只事ではないことを察してくれて、助け舟を出してくれた。

雅「俺は、聞いてない。」

不満剥き出しで、そう言った。

すると、それまで傍観していた大野さんが、小さく、笑い出した。

智「ははは、ははっ…くっくっ…」

雅「何…リーダー。」

最早怒りを隠そうともしない、相葉さんに、

智「…はぁ…ごめんごめん。…いや、翔ちゃんも可哀想だなぁと思って?」

雅「は?何が?」

智「…ん?…恋人がここまで束縛激しかったら、大変だろうなって話?」

雅「…なんなの、リーダー。」

智「いや、別にぃ⁇…ただ思ったこと言っただけだけど?」

相葉さんが、立ち上がろうとしたところを、ギリギリのところで肩を掴んで止めた。

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