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幻星記序章~白夜の時終わりぬ…だが黎明の時来ず

第4章 〈シュレイアール城〉

先に、仕掛けたのはカーン。左右に体を動かしながら〈六の剣〉に詰め寄る。
右の剣を上段から振り下ろすカーン…。それをかわし…右中段から斬り込む〈六の剣〉…。左の剣で、受け止め…払うと右下段から斬り込む…。中段で受け止め…払うと、そのまま…斬り込む…。両剣で受け止めると、払う…。
カキーン…カキーン…。剣の擦れる音が響く…。両者互角の闘いを繰り広げる…。
「そろそろ…本気になったらどうだ?。」
「十分本気だ!。」カキーン…。〈六の剣〉の剣を左の剣で受け止めると、右中段から斬り込む…。
「なら…オーラを上げるか?!。」
「冗談はよせ…。わしを殺すきか?。」
「六割程しか出してないくせに…。」
「封印を解きたくない!。」
「なら……。エイナとリューンを試さしてもらうか?。」エイナは、しっかりと…大剣を握りしめ構える。リューンは、慌てふためき、小剣を落としそうになる。
「筋はなかなかのものだ…。だが…甘い!!。」エイナの脇を狙う。両手で受け止めるエイナだが、片膝をつく。
「リユーン!…行くぞ!!。」刃を合わせることなく…
「ふぎゃぁー」すてんーころりと前のめりに自爆するリューン…。
「リユーンは、経験不足か?!。」
「悪かったな…。」鼻血を出しながら答える。
「もぅ…しょうがないなぁ…。」ミリリアは不平をこぼしながら治癒魔法をかける。
「エイナは?!。」
「心配ない。」
「わしもいらん!。」〈六の剣〉の方を見るミリリア。
「俺もいいぞ!。」
「ふぅー。」気を抜くと少しよろめく。
「ミラ!。」エイナが大剣を置き、ミリリアのもとに寄る。
「大丈夫…。少し疲れただけだから…。」支えられ、そう答えるミリリア。
「慣れていないようだな…。」
「あまり使わないからなぁ…。」
「うわっとー」右耳を押さえる〈六の剣〉。
「〈ネイア〉様か?!。」
「あぁ…。」
「〈謁見の間〉に行くぞ!。」
「〈ネイア〉様がお待ちかねだ。」
午後四時の鐘の音が鳴る。

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