愛の裏側
第3章 *すれ違う心
「はあー。もうマジ疲れた」
「何言ってんの未央。まだ一時限目終わったばっかだよ?」
んー、なんて唸っている未央。
いや、そんなこと言いながら私もさっきまで憂鬱とか言っちゃってたけど。
ふと窓の外を見る。
「ね、未央。あの子のこと、知ってる?」
さっきのあの男の子を指差す。
未央は鏡を見ながら私の指差した方をゆっくりと見た。
「あのカワイイ子?」と尋ねる彼女に、首を縦に振った。
「いや、知らないわ。あの子がどうかしたの?」
私は黙って、サッカーゴールを片付けている彼を見つめた。
ちょっとはねた黒髪に、そこまで高くない身長。
サッカーゴールを持ち上げるのも凄くキツそう。
女の子みたいだなぁ。
彼の第一印象は、それだった。