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愛の裏側

第3章 *すれ違う心

 





あの後は、そりゃあもう怒られた。




『委員長のあなたが授業をサボるなんて…!』




私だってやりたくてやってる訳じゃない。




何かあればすぐに“委員長”。






「…あーあ…今日はツイてないなあ」






いつもなら、はぁ…、とため息をつけば、未央が近くに来て、


「どーしたの?ため息なんてついてっ!」


そう言ってくるのが普通だった。




でも、それももう無いかもしれない。



今まで当たり前だったことが、今では凄く特別に思えた。








「ねえ、藍ちゃん。もしかして、浅桐先輩と付き合ってるの?」



「えっ?あ…ううん、まさか」








話しかけてきたのは、クラスのちょっと派手なグループの女子達。



一瞬、未央かと期待してしまった自分がいた。




そんなはず、ないのに。




無意識に未央を探す。



自分の席に座って、うつ伏せになっている。



声をかけたい。




無視されたらどうしよう、


嫌われたくない、


何を話せばいいのかわからない、



そんな弱い気持ちが、私の意志を邪魔した。





 

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