
愛の裏側
第3章 *すれ違う心
「っ!?ちょ…」
どんどん濃厚になっていくキス。
乱暴で、投げやりで、でもどことなく愛情が伝わってくるような。
熱くなる体。
変になりそうで怖い。
私が私じゃなくなるみたいな感覚。
「…んっ…ふ…っ…」
こんな声を出してることが、自分でも恥ずかしい。
「…っ…可愛いよ、藍…」
「…はあっ…んっ…」
逃げる私の舌を、蒼くんの舌が追いかけてくるように絡む。
嫌じゃない、気持ちいい。
そう思っている自分がいた。
それでも、頭にあるのは浅桐先輩の顔だった。
いやらしい水音が教室に響いた。
「…蒼、か…」
