
愛の裏側
第3章 *すれ違う心
“教室で待ってて”
そう言われ、教室で蒼くんを待機してから15分。
「…遅いなぁ」
人を呼んどいて自分が遅れてくるなんて…。
未央のお見舞いも行きたいんだから、早くして欲しい。
…もう帰ってしまおうかな
そう思ったときだった。
「お、ちゃんと待ってたんだ。ごめん、遅れて」
「…別にいいよ…。で、用って何?」
そう問うと、彼は少し俯き、何かを考えているように見えた。
「…藍。…俺と付き合ってよ」
「……はい?ちょ、ちょっと待って、何で…」
どうしてそんな話が出てきたの?
え、てか、付き合ってよ?
…え!?
「…何でって…決まってんじゃん。俺があんたを好きだから。それだけ」
たじろぐ私に対して、堂々とした表情を見せる彼。
これって…告白、ってこと?
待って、私は――…
…って、今、私誰を思い浮かべた?
…何で、浅桐先輩が出てくるの…関係ないのに。
「ねぇ、藍…。俺、この高校に入ってからずっと見てたんだ。あんたが欲しくてたまらなかった」
「……」
「顔真っ赤…可愛い。…あーもう、そーゆうのやめろよ、限界」
唇に、何か柔らかいものがあたった。
