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闇夜に輝く

第13章 伝説のスペシャリスト

咲さんは辞めることなく、入店から1ヶ月が経った。
レギュラーとして夜の世界のルールに日々慣れながら勤務を続けている。

それに伴い、海斗にも徐々に変化が現れた。
海斗がニューアクトレスに入ってすでに半年。
それまでは掃除とホール業務のみを淡々とこなしていく毎日に安らぎを感じていた筈なのに、最近は自分から少しずつやれる事を増やしていこうと思うようになってきた。

咲さんの担当になったことも大きかった。
咲さんが少しずつ接客スキルやルール、マナーを会得していく姿を見て、自分自身の仕事に対する姿勢に疑問を感じ始めた。
かといって、いきなり増田店長のように振る舞える訳もないので、今自分に出来る事をより徹底的に行うことにした。

まず、今自分に任されている仕事を整理してみる。
雑務に関しては、開店準備、掃除、更衣室整理、店ドレス管理、各種ボトルの在庫管理、備品管理、ヘアメイク用品、女性雑誌の管理、ポイント表管理、酒発注など。

営業に関しては、ホール業務がメインに加えて、キッチン業務、フロント業務、エスコート業務、延長確認、シャンパンやワインなどの抜き物業務。

キャストに関しては、咲さんの出勤確認、顧客管理、ミーティング。

そして最優先に考えなければならない業務は、ホールのスペシャリストになる事と店の備品関係を完璧に管理すること。

実はコレには理由がある。

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