『闇夜に輝く』第17章「微妙な変化」　136ページ

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闇夜に輝く

第17章微妙な変化

そこに置いてある業務用掃除機で掃除しながらまたフロアへ戻る。
すると途中の通路で、増田さんが西野さんと話しをしていた。

海斗は掃除機をかけながらその場を通り過ぎ、隅々まで掃除機をかける。
毎日かけていてもかなり汚れる。特に今日は昨日粉々になったシャンパングラスの破片や、床に落ちているピーナッツ類、ドレスに装飾されているラメ、ヘアピン、客が落としたであろう小銭など様々な物が落ちていた。

それが終わると更衣室やヘアメイク室に落っこちているキャストの長い髪の毛をコロコロを使って掃除をする。

山田君と秋山さんは黙々とガラスや鏡、トイレ、ボトル棚、テーブルの脚などの拭き掃除を分担して行っていた。

その間も増田さんと西野さんの話し合いは続いていた。

海斗がバックヤードでキープボトルの管理表を整理していると西野さんがきた。

「昨日は、その、…すいませんでした」

海斗は西野さんの声に気付き振り返る。

「あ、はい。目の下のアザ、大丈夫ですか？」

「うん、まぁ。それから…、今日から、あー…、その、よ、よろしくお願いします」

「はい。こっちこそよろしくお願いします」

バツが悪そうに頭を掻く西野さん。きっと増田さんから降格の件を言われたのだろう。
海斗はその件には触れず当たり障りのない返事をした。