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闇夜に輝く

第18章 サイドストーリー 〜尊と楓〜

楓とは数ヶ月前に知り合った。

いつものように前の女の部屋を出たあと、住み込みが可能なキャバクラのボーイをしたときにそこの店のナンバー入りキャストが楓だった。
会話と言えば、おはようございますとお疲れさまですだけしかしてなかった。
そんな日々が3ヶ月程たったある日、突然楓から紙切れを渡された。
そこには携帯の番号が書かれていた。
しかし、タケルはこれまで自分の携帯を持ったことがなかった。
いつも女に持たされ、出ていく時に鍵と一緒にテーブルに置いていっていたからだ。

電話が出来ないことを伝えようにも、入ったばかりのボーイが挨拶以外でキャストと会話することは禁止されている。
なのでその日以降も笑顔で挨拶する事以外なにもしなかった。
そしてそのうちにすっかりその事を忘れてしまっていた。

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