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闇夜に輝く

第20章 全体会議

2時間程で全ての会議が終了した。
途端にざわざわしだす店内。
増田さんは色々な人と話していて、一緒に出れる雰囲気ではなかった。

なので海斗と坂東さんは一緒にグレイスフルを後にし、一足先にバーベキュー会場へ向かった。
その道すがら、

「増田さんの迫力は凄かったですね」

「ああ、あのモードの増田さんは無敵だよ。全然違うことをさも真実の様に話すし、説得してしまう」

「全然違う事って?」

「だって西野が心を入れ替えて頑張ってるわけないじゃん。1月から急激に売り上げが伸びたのが海斗のおかげ?違うよ、優矢が積極的に店に良いキャストを紹介するようになったからだし、最近よく手伝ってくれるようになったからだろ。ずっと増田さんは早く優矢が高校卒業するのを心待ちにしてたんだから」

「なんだぁ。やっぱりそうですよね」

「もちろん海斗の影響もあるぞ。店に追い風となる働きはしてくれてると俺から見ても思う。しかも、優矢は海斗といるのが楽しそうだし。そーいえば糸の切れた凧のような性格の優矢が最近はよくうちの店にいるもんなぁ。閉店後も海斗とよく一緒にいるし。前はこんなに店を手伝ってはくれなかったんだけどな」

「そうなんですか?優矢君と話してると面白いし、為になるなぁと思ってるんですが、優矢君はあんまり本心が見えなくて何でよく喋ってくれるんだろうと思いますけどね」

「口調や雰囲気は全然違うけど、どっか海斗と似てるのかもな。案外同じ事を優矢も思ってるかもしれん。…、いややっぱりあいつは何も考えてないな。何となくフィーリングが合うんじゃないか?それより…」

「??」

そこで坂東さんは真剣な表情になった。

「完全に海斗も部長に嫌われたと思うぞ」

「で、ですよねー。やっぱり何か影響あります?」

「あの人もやり手なのは間違いないからなぁ。でも増田さんの下にいる間は大丈夫でしょ。今の状況じゃ、増田さんは海斗をそう簡単に手放したくはないだろうし、勝手に店舗異動もしないだろうな」

「よかったぁ。今後も増田さんに見捨てられないように頑張ります」

「俺からも頼むよ。よし、今日はもう忘れて焼肉食べまくるぞーー!」

「おっしゃーー!!」

バーベキュー会場でも部長に会うことをすっかり忘れていた海斗達であった。

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