闇夜に輝く
第20章 全体会議
そしてここから増田さんの真骨頂が発揮された。
「そうですね。都合はいいです。でもそれはあくまで店と会社にとってという意味です。私の為ではありません。現に筑波が入店した1月からアクトレスの業績は伸び続けています。それはこの筑波に次々と仕事を任せた事も大きな要因の一つと考えています。7月後半の失速と言っても、その月は過去最高の売り上げを出しています。そしてこの8月も好調です。彼はしっかりとその役職に応えてくれている証しと考えます。その一方、西野は焦りました。そして失敗しました。けれど、過去これまで西野にそういった焦りを与えた人物はいませんでした。そしてもう一度彼はやり直す、自分を見つめ直すキッカケが出来ました。これはとても会社にとって都合がいいことです。執行部入りの話まで出た人材が自分を磨き直す事を決意してくれたんですから。また、近くに8ヶ月で副主任にまでなった筑波という急成長するにはちょうどいい見本となる人材がいます。私はニューアクトレスを預かる店長として、筑波にも西野にも等しく期待しています。以上です」
理路整然と、言い淀む事なく堂々と言い切った増田さん。余りの迫力にシーンとなる議場。
海斗は隣にいる増田さんを見ながら、『カリスマ』という言葉の意味を生まれて初めて理解した。
そして、今にも「ぐぬぬ…」と漫画のような声が聞こえてきそうな顔の地区部長。
進行役の統括部長が硬直した場を元に戻す。
「そ、それでは、他に意見のある方がいなければこの話は増田店長に一任でよろしいですか?」
その問いかけに何の意見も出なかったので、そのまま次の議題に移っていった。
「そうですね。都合はいいです。でもそれはあくまで店と会社にとってという意味です。私の為ではありません。現に筑波が入店した1月からアクトレスの業績は伸び続けています。それはこの筑波に次々と仕事を任せた事も大きな要因の一つと考えています。7月後半の失速と言っても、その月は過去最高の売り上げを出しています。そしてこの8月も好調です。彼はしっかりとその役職に応えてくれている証しと考えます。その一方、西野は焦りました。そして失敗しました。けれど、過去これまで西野にそういった焦りを与えた人物はいませんでした。そしてもう一度彼はやり直す、自分を見つめ直すキッカケが出来ました。これはとても会社にとって都合がいいことです。執行部入りの話まで出た人材が自分を磨き直す事を決意してくれたんですから。また、近くに8ヶ月で副主任にまでなった筑波という急成長するにはちょうどいい見本となる人材がいます。私はニューアクトレスを預かる店長として、筑波にも西野にも等しく期待しています。以上です」
理路整然と、言い淀む事なく堂々と言い切った増田さん。余りの迫力にシーンとなる議場。
海斗は隣にいる増田さんを見ながら、『カリスマ』という言葉の意味を生まれて初めて理解した。
そして、今にも「ぐぬぬ…」と漫画のような声が聞こえてきそうな顔の地区部長。
進行役の統括部長が硬直した場を元に戻す。
「そ、それでは、他に意見のある方がいなければこの話は増田店長に一任でよろしいですか?」
その問いかけに何の意見も出なかったので、そのまま次の議題に移っていった。