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そして何よりも女磨きに一番長けているのが、キャストではなく洋子さんだったりする。
なぜなら、洋子さんのファッションをお手本にしていると思われるキャストが多数いるから。
そんな事を考えていると、坂東さんが続けて話す。

「洋子さんは営業中、絶対にバックヤードやキャッシャーから出てこないだろ？ヘタにフロアに出ると一目見た客が洋子さんを指名したがる事が多いからなぁ」

「確かに、洋子さんって20代後半にしか見えないですもんね、お世辞抜きで。でも実際は30代の増田さんより年上なんですよね？」

「そうだよ、色々とおかしいんだよあの人。んで、洋子さんがキャバ嬢としてバリバリ現役だった頃、平社員のボーイだったのが今のレッドローズの店長らしいよ。ちなみに洋子さん1人が会社に与えた利益は年間で億を超えていたと言われてる。しかもそれを長年続けていたんだからなぁ」

「え？じゃぁ相当な金額じゃないですか」

「ああ、洋子さんも相当稼いだはずだ。今は引退してマンションやアパート経営の家賃収入で暮らしてるくらいだしな。ちなみに洋子さんのマンションのいくつかは、社員寮としてうちの会社に貸してるらしいぞ」

「はぇー、全然、知りませんでした」