闇夜に輝く
第21章 大バーベキュー大会
ちょうど執行部の人達も全員サイトから出てきて真っ先に統括本部長がお礼を言う。
「す、すいません後藤さん。お気を使わせてしまったようで…」
その後の見返りの事を危惧する執行部の面々。
それを感じ取った後藤さんが、一番最後にゆっくりとテントから現れた社長に向かって話す。
「これは組は一切関係のない事ですから。聞けば出入りの業者さんもみな食材を持ち寄ってるって話じゃないですか。なので、一応、名目は風俗案内所からの差し入れです。本当は俺も橋本のオヤジもそこの優矢に世話になりましたからね。それのお礼ですから。本当に気にしないで下さい」
そう社長に向かって話す。それに気さくな感じで答える社長。
「そっか、橋本の兄さんからか。あとで連絡を入れておくよ。それにしても後藤。お前も本当に偉くなったんだな。信じられないよ」
「いや私自身も今だに慣れなくてですね。貫目が足りないのはわかってるんですが、何とかやってます」
「ははは、いや、中々サマになってるぞ。お前の出世のおかげで俺も色々と助かってるから、気にすることなんてなかったのに」
「いや、1年前に私の立場が急変しても、変わらずに接してくれたのは社長と、あそこにいるクソガキくらいなもんなんです」
後藤さんは目を細めて、両手に伊勢海老を掴んではしゃいでいる優矢君を優しそうな眼差しで見る。
つられて社長もその方向を見て同じような顔をした。
「フッ、まぁ、ありがとうな。ちょっと飲んでくか?」
「いえ、私はこれで失礼します。本当は前もって届けたかったんですが、なんせ優矢からバーベキューの話を聞いたのが一昨日の夜なもんで。運ぶのにも人手が必要で、悪いと思いつつもウチの者を使ってしまいました。従業員の方を驚かせてしまって申し訳ないです」
「いや、気にするなって。ちょっと変わった宅配業者が来ただけだろう」
ガハハと笑う社長。
いつの間にかその隣には執行部の面々と増田さんとレッドローズの店長がずらりと並んで後藤さんに向かい頭を下げていた。
そうして後藤さん達が帰っていくのを優矢君も一緒に車の所まで見送りに行くのが見えた。
(今の人が誰かは分からないけど、相変わらず優矢君の交友関係は謎が多いなぁ)
そう思いながら、海斗は遠くから見つめていた。
そして、今度こそ1人一匹の伊勢海老付き豪華バーベキューパーティが始まった。
「す、すいません後藤さん。お気を使わせてしまったようで…」
その後の見返りの事を危惧する執行部の面々。
それを感じ取った後藤さんが、一番最後にゆっくりとテントから現れた社長に向かって話す。
「これは組は一切関係のない事ですから。聞けば出入りの業者さんもみな食材を持ち寄ってるって話じゃないですか。なので、一応、名目は風俗案内所からの差し入れです。本当は俺も橋本のオヤジもそこの優矢に世話になりましたからね。それのお礼ですから。本当に気にしないで下さい」
そう社長に向かって話す。それに気さくな感じで答える社長。
「そっか、橋本の兄さんからか。あとで連絡を入れておくよ。それにしても後藤。お前も本当に偉くなったんだな。信じられないよ」
「いや私自身も今だに慣れなくてですね。貫目が足りないのはわかってるんですが、何とかやってます」
「ははは、いや、中々サマになってるぞ。お前の出世のおかげで俺も色々と助かってるから、気にすることなんてなかったのに」
「いや、1年前に私の立場が急変しても、変わらずに接してくれたのは社長と、あそこにいるクソガキくらいなもんなんです」
後藤さんは目を細めて、両手に伊勢海老を掴んではしゃいでいる優矢君を優しそうな眼差しで見る。
つられて社長もその方向を見て同じような顔をした。
「フッ、まぁ、ありがとうな。ちょっと飲んでくか?」
「いえ、私はこれで失礼します。本当は前もって届けたかったんですが、なんせ優矢からバーベキューの話を聞いたのが一昨日の夜なもんで。運ぶのにも人手が必要で、悪いと思いつつもウチの者を使ってしまいました。従業員の方を驚かせてしまって申し訳ないです」
「いや、気にするなって。ちょっと変わった宅配業者が来ただけだろう」
ガハハと笑う社長。
いつの間にかその隣には執行部の面々と増田さんとレッドローズの店長がずらりと並んで後藤さんに向かい頭を下げていた。
そうして後藤さん達が帰っていくのを優矢君も一緒に車の所まで見送りに行くのが見えた。
(今の人が誰かは分からないけど、相変わらず優矢君の交友関係は謎が多いなぁ)
そう思いながら、海斗は遠くから見つめていた。
そして、今度こそ1人一匹の伊勢海老付き豪華バーベキューパーティが始まった。