闇夜に輝く
第22章 相談
少し離れた場所では増田さんと理子さんが向かい合わせでイスに座り話しこんでいた。
二人の真剣な顔付きに誰も近づけない雰囲気になっている。
秋山さんは酔い潰れたのか砂浜で大の字で寝ていた。
その近くで坂東さんとリンさんがゆっくり秋山さんのお腹の上に砂を乗せながら座り込んで話しをしている。
リンさんは場内が本指名になかなか繋がらないと悩んでいたので相談しているのかも。頼りない担当でごめんなさい。
反対側に目を向けると、若菜が咲さんと一緒にシェルティーと楽しそうに遊んでいる。
若菜のあんな表情は今まで見たことがなかった。
山田君が焼き肉の乗ったお皿を若菜に渡し、また炭火の前に戻る。
若菜達はシェルティーに待てをしてから肉をあげていた。
海斗はそれらを見てて、なぜか幸せに思った。
店に入った当時は1人で神社裏に咲いている花を見るのが好きだった。
それと同じような感覚が今も穏やかに身体を流れていた。