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闇夜に輝く

第22章 相談

海斗は励ますように語りかける。

「きっと今のその表情も彼氏は好きなんじゃない?楓さんは明るい時も、悩んでる時でさえも人の気持ちを温かくする才能があるよ。自信持って!」

楓さんはその言葉に、いつの間にか素の表情を見せてしまった恥ずかしさなのか、変顔をして誤魔化す。

「そー言えば海斗さんは年下じゃん!生意気なんだよー」

そう言って海斗のほっぺを両手で引っ張る。

「ちょ、すひまへん。はなひて」

その言葉に満足したのかにっこりと笑い、手を離す楓さん。そして

「でも、話してよかった。ありがとう」

「俺も楓さんと話せてよかった。営業中はこんな話もできないからね」

「これからもたまには話を聞いてくれる?」

「俺なんかでよければいつでも。でもさ、楓さんの話を聞いてると、彼氏さんって性格が猫っぽいよね」

その言葉に何かを閃いた顔をする楓さん。

「あー!確かに。フフフ、アハハ、ウチの彼ってまんま猫だ。だってワガママ言わないし、いつも家で大人しくしてるんだもん。そう考えたらめっちゃ納得した」

お互い笑顔になった。
海斗は楓さんとの距離が縮まった気がした。何故なら今まで以上に頑張って欲しいと思えたから。

「じゃあ、ひと仕事してきますかねー」

楓さんはそう言い、接客中に見せる妖艶な笑みを作ると執行部の方に元気に歩いて行った。

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