闇夜に輝く
第6章 初スカウト、そして……
下まで降りてから気になった事を聞いてみた。
「なんで突然、ここで働こうと思ったの?」
咲さんは少し悩んだ後、ポツリと言った。
「見返したかったんです」
「見返したいって、誰を?」
「彼氏です。実はさっき彼氏の家へ遊びに行ったんです。そしたら裸の女の人がいて……。頭の中が真っ白になってしまって慌てて帰ったんです」
「あー……、浮気してたんだ」
「はい……」
聞かなきゃよかった。でもそれで納得がいった。雨の中を歩いていたのも、突然キャバクラで働こうとしたのかも。
「まぁ、気が変わったら遠慮せずに言っていいからね。はい、これ俺の名刺」
そういって、名刺を渡した。入店して1か月目に給料から天引きされる形で無理やり作らされた50枚の名刺。
それから3ヶ月、誰にも渡す機会も気もなかった物の1枚が、俺の手を離れ咲さんの小さな掌に収まっている。
咲さんはそれを両手で持ち、しばらく眺めた後、バッグにしまった。
「働く気は変わりません。海斗さん、よろしくお願いします」
そう言って、深々と頭を下げた。
「なんで突然、ここで働こうと思ったの?」
咲さんは少し悩んだ後、ポツリと言った。
「見返したかったんです」
「見返したいって、誰を?」
「彼氏です。実はさっき彼氏の家へ遊びに行ったんです。そしたら裸の女の人がいて……。頭の中が真っ白になってしまって慌てて帰ったんです」
「あー……、浮気してたんだ」
「はい……」
聞かなきゃよかった。でもそれで納得がいった。雨の中を歩いていたのも、突然キャバクラで働こうとしたのかも。
「まぁ、気が変わったら遠慮せずに言っていいからね。はい、これ俺の名刺」
そういって、名刺を渡した。入店して1か月目に給料から天引きされる形で無理やり作らされた50枚の名刺。
それから3ヶ月、誰にも渡す機会も気もなかった物の1枚が、俺の手を離れ咲さんの小さな掌に収まっている。
咲さんはそれを両手で持ち、しばらく眺めた後、バッグにしまった。
「働く気は変わりません。海斗さん、よろしくお願いします」
そう言って、深々と頭を下げた。