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闇夜に輝く

第27章 担当替え

そしてボーイの中でも変化があった。

まず、秋山さんと西野さんが仲良くなった。
秋山さんは海斗より年上の24歳。
西野さんと同い年で、他でボーイの経験があった。
早くキャスト管理をしたいらしく西野さんから色々と聞いている。
西野さんと社長の関係性を知り、彼の中でも考えがあるのかもしれない。
それに元々性格が西野さんと似ているところがあり、開店準備や営業中の地味な作業は好きではない。
なので営業中も自分がやりたくない作業を山田君に任せきりにする場面もある。
けれど社交的な性格なので、お客様への対応は上手い。
それによくキャストと世間話をしている姿も見受けられる。

それから山田君。19歳と若く、未経験で入ってきた。
そのせいで西野さん、秋山さんから仕事を押し付けられている場面をちょくちょく見かける。
その度に海斗が分担して作業するように促すのだが、常に監視している訳ではないし、海斗がその二人より年下のため真剣に指示を守ってくれない。
それでも山田君は黙々と仕事をこなしていく性格のため、海斗も雑務に関しては信頼しているし、無理し過ぎないように常に気にかけていた。

そして問題の西野さん。
給料が下がってもあまり変化はなかった。
ふて腐れる事もなく、かと言って頑張るわけでもなく、何事もなく仕事をしている。
相変わらず自分が出来ることを秋山さんや山田君に得意げにレクチャーしている。
そして結局この人は誰を担当しようが成績を上げる管理は出来ない事もわかった。
毎日キャストの機嫌を取っているだけ。
だからこそ増田さんは丁度いいと言っていた。
増田さん曰く、Cランク以下のキャストに成績は求めていない。
レギュラーキャストの足を引っ張らない程度に楽しく働いてくれればそれでいいらしい。

底辺を底上げするより、高ランクキャストを更に伸ばしていくことの方がよっぽど効率的なのだと言っていた。

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