テキストサイズ

闇夜に輝く

第28章 衝撃の事実

その間、優矢君は席を転々とし、マスターや他のお客さん、新しく入店してきたお客さんと喋っていた。
それでも海斗達の飲み物がなくなるとすかさずドリンクを持ってきたり、料理を適当に選んで持ってきてくれる気遣いも忘れない。

この男のスキルの高さに脱帽するしかない海斗であった。

朝の7時になり、明日も仕事だからと帰ることにした。
優矢君はまだ残るらしかったので、先に帰る事を告げて会計をしようとする。

「いくらかな?」

「んー、一人2000円くらいでいいんじゃないすかね?マスター!それでいいよね?」

カウンター内のマスターに確認を取る優矢君。

「おう、優矢に任せるわ」

そう適当に答えるマスター。
ドリンクをジョッキで1人4杯と結構なボリュームの料理が運ばれて来ていた為、どう考えても一人2000円は安すぎる。

「いや、ちゃんと払いますよ」

海斗はカウンター内にいるマスターへ向かってそう言うとマスターが答える。

「いいのいいの、足りない分は優矢に皿洗いさせっから。またちょくちょく顔だしてくれな」

「そうそう、俺が洗えばっ…て、え〜!?」

そう言って冗談交じりに笑うマスターと優矢君。

「ははは、ありがとうございます」

申し訳ないと思ったが、今日はマスターと優矢君に甘える事にする。
6千円を海斗がまとめて優矢君に渡し、お釣りは要らないからと言って店を出た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ