テキストサイズ

闇夜に輝く

第28章 衝撃の事実

そんな風に思っていると山田君が聞いてきた。

「はぁ、何か自分の器の小ささが情けないです。ちなみに、海斗さんはボーイの時のモチベーションって何だったんですか?大変だなって思う時はどうやって乗り切ってました?」

「俺?んー、正直、あまり考えた事がなかったんだよね。同じ立場の人間がいなかったからこれが普通なのかなって。でも、今考えれば増田さんからボーイの心得的な事をかなりレクチャーされたかも。そう言えば増田さんと話す時間は入った時から多かったな。一つ一つの作業が今後にどう繋がっていくか、何のためにこの作業が必要かって意味を教えてもらったり。自分がどこかで食事をする時に感じのいい店、悪い店の理由を明確にしろとかも参考になったなぁ」

「確かに、増田さんと一番話すのって海斗さんですもんね。というか、あの増田さんとあんな風に話ができる事が凄いです。坂東さんですら増田さんと話してる時は緊張しているのがわかるのに…」

「ははっ、俺だって増田さんと話してて怖かったり、緊張したりする事はあるよ。けど、それ以上に為になる話が聞けるっていう好奇心が勝っちゃうんだよね。あ、そっか、今度はそうして得た知識を、俺がボーイに伝えていかなきゃいけない立場になったのか」

そして増田さんから教わったことを自分の経験も交えて山田君に伝えた。
山田君は重要な事をメモに取ったりして、真摯にそれを受け止めてくれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ