テキストサイズ

闇夜に輝く

第29章 結衣菜の秘密

そうして16時にカラオケの前にやって来た結衣菜さんと受付にいく。予約をしていた為すんなり通される。
受付で結衣菜さんが学割を利用しようとするので海斗が慌てて止めた。
援交になってしまうじゃないか。

海斗の緊張感とは裏腹に、結衣菜さんはなんだか楽しそうにしている。

「海斗さん、何かデートみたいだね。これって風紀?」

「ホント。誰かに見られたら絶対風紀確定だよ」

「ねえ、何でカラオケなの?」

「色々と考えたんだけど、人目につかずにゆっくり話せる所って思ったらカラオケだったんだよ」

「そっかぁ。でも朝はビックリしたー。めっちゃヤバいって思ったもん。でさ、この後ってどうなるの?」

「んー、どうかな。結衣菜さんの歌が上手かったら教えるよ」

「えー、どうだろう」

「じゃあ一曲歌ったら今後のお話をするから自信のあるやつ歌って」

そして今どきの歌をを可愛く歌う結衣菜さん。何気に上手くてビックリした。

「じゃあ次は海斗さんの番ね」

「うん、その前にお話させて。結衣菜さんの歌が上手かったから優しく話すね」

「えへへ、ありがとう」

そして海斗は真剣な表情を作る。

「いい、よく聞いてね。今朝さ、うちの店が好きだから辞めたくないって言ってくれたよね。それは本当に?」

「うん!前の店より全然いいし。杏奈ちゃんと仲良いし、海斗さん優しくて頼りになるし、お客さんの質も全然いいから」

「そっか。俺も結衣菜さんの担当楽しいよ。特に最近は自分の事ばっかりじゃなくてお店の事を考えて働いてくれる意識が見えてきたし。でもさ、そのアクトレスが無くなっちゃったら悲しい?」

「えー、うん。でも何で?」

「結衣菜さんは高校生なんだよね。もしもその事が世間に発覚したら最悪お店が無くなっちゃうんだよ」

「えっ……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ