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闇夜に輝く

第30章 スカウト

二人は適当にぶらぶらして目に付いた雑貨屋さんに寄る。
海斗が家の玄関に飾るには丁度いい、丸いガラスケースに入った小さなサボテンを選ぶ。
そしてサラさんもそのサボテンを気に入り、同じような物を2個購入し、1つをサラさんにあげた。

その後、アジアンダイニングの店で夕食を食べている時に、お酒の話で盛り上がった。
なので、海斗がよく行くBARに連れて行くことにした。

「海斗さんってこういうところよく行くんだ」

「んー、たまにね。ウチの店のお酒は高すぎて手が出せないから、こういう店でショットで飲んだりして味を確かめてる。サラさんはお酒強い?」

「んー、まあまあかな」

「じゃあシャンパン頼んでいい?うちでよく出るんだけど、俺もあんまり飲んだことなくてさ」

「ドンペリとか?」

「んーと、ヴーピン」

「ぶーぴん?」

「ヴーヴクリコのピンク。ローズラベルって言うらしい。ピンドンより安くて、ドンペリ白より美味しいってみんな言うから、飲んでみようと思って。値段も手頃だし」

「ふーん、って。ちょ、高くない?2万円以上するよぉ?」

「シャンパンでこのくらいなら安いんじゃない?うちの店だとその倍以上するし」

「えっと、あのぉ…」

「あー、お金とかは気にしないで。俺が飲んでみたいだけだから。一人だったり、男同士だと頼みづらいし、家で飲んでもあまり勉強にならないしね。本当に今日はサラさんがいてくれてよかったよ」

海斗は顔見知りの店員に向かってシャンパンとおつまみをオーダーする。
店員はオーダーを取ると、海斗と会話をしながら流れるような所作でメニューを回収すると、その場から離れた。

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