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闇夜に輝く

第31章 給与システムと新たな試み

そう言いながら、腕をブンブン振って可愛く悔しがるリンさん。
海斗はその様子を可笑しく思いながらアドバイスを続ける。

「いきなり接待で使ってもらうのは難しいよね。だから普段からビジネスパートナーとなれる関係性を指名客と作り上げること。別の言い方をすると客の財布を預かれるキャストになる事が重要なんだよ」

「え?客の財布ば預かるとね?」

「いやいや、本当に預かるわけじゃなくて、この子に任せておけば安心と思わせる事の例えだよ。事前にどんな人と飲みに来るのかを必ず確認する。接待なのか、後輩を連れてくるのか、友達同士なのか、一人で来るのか。それがわかったら俺や増田さんにどのくらいサービス出来るか相談して、それを客にあらかじめ伝える。接待だったらさっきの事を実践する。後輩と来てるのであればその指名客がお金を出すはずたから、リンさんだけはさりげなくドリンクをボトル飲みにするとか配慮してあげる。また仲の良い友達どうして来るときや一人で来てくれた時は色恋営業に切り替えて甘えてみる。ビジネスマンはビジネスパートナーには義理堅い。普段しっかりと役割をこなしてくれている子に対しては、たまに甘えてきたら応えてあげようと思ってくれる。そのタイミングを捉えてシャンパンなどをおねだりするんだよ」

「あー、使い分けね。やけんウチ、頭悪いけん、できるやろーか。海斗さんもそうおもっとーね?」

「そう思う子には最初からこんな話はしないよ。リンさんは賢いから大丈夫。今の話も理解できたでしょう?じゃあ具体的に今の指名客と場内をもらった客の情報を教えてくれる?一緒に考えよう」

そうして海斗はキャストノートに書き込みながら、それぞれの指名客別に戦略を立てていく。


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