テキストサイズ

闇夜に輝く

第31章 給与システムと新たな試み



しかしデメリットもある。

少し頭のいいキャストなら、指名売上金と貢献度から逆算し、誰がどのくらいの給与をもらっているのか詳しく分かってしまうこと。

もう一つのデメリットは細客を沢山抱えるキャストの貢献度が上がりづらいことである。

リンさんがその筆頭で最近はそのことについてのミーティングが多い。

「海斗さん、なしてリンの貢献度が上がらんと?」

「リンさんの場合はサラリーマンタイプが多いから客単価が高くないんだよね」

「どうしたらいいとね?」

「うん。このままで大丈夫。多分今月末には予想外の展開になってるはず。気持ちを切らさないでほしい」

「そう言われても、不安ちゃけん。なして海斗さんばそう思うと?」

「12月の最初はボーナス時期、その後は忘年会シーズンの2つの波があるんだよ。サラリーマンの来店が増える。初旬のうちに忘年会の話題も盛り込んでごらん。二次会とかで来るときは大人数だったりするからその指名売上はかなりの金額だよ。実は今月はリンさんにとってチャンスだから、そのことを忘れないで」

「でも、ウチの店って高いやろ、使ってくれっちゃろか」

「うん、その為には接待でもリンさんがいれば安心して利用できるって思わせるのも大事」

「具体的にどうすると?」

「例えば、接待の時は同伴からついて行ってリンさんが指名客ではなく、接待相手の方に付くのも手だよね。要はリンさんと本指名のお客さんで接待相手を挟む。仲が良い子を自分の本指名の方に場内してもらって盛り上げるのもいいかもしれない。接待の時ってリンさんの本指名のお客さんは、自分が楽しむ事は二の次だからちゃんとその辺を汲み取ってあげる。その接待相手を帰した後に、またその本指名客が飲み直しで戻ってきてくれたら大成功。そこで反省会的な話題でまた盛り上がれる」

「だけん、接待っちゃゆーても、その持っていき方がわからんとよ〜」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ