闇夜に輝く
第32章 戦場のメリークリスマス
そしてリンさんをメイク室に連れ戻す。
「ちょっとは落ち着いた?場内のお客さんが帰ったら上がりでいいからそれまで頑張ろう」
「うん、だいぶ、楽になったけん、もう大丈夫」
「お客さんと番号交換はできた?」
「任せとって!仕事はするけんね」
「さすがだねー。立てる?」
「んー、もっかい抱っこ!」
海斗は抱き上げるようにしてリンさんを立たせ、一緒にフロアへ戻る。
営業終了までラスト1時間。
それでも、客席のほとんどは埋まっていていつもより賑やか。
特にキャストのテンションがハイになっていて、店内はカオスな状態が続いていた。
結局、大盛況なまま営業終了となり、客が時間差で帰っていく。
全ての客を見送り、やっと終わったとヘトヘトになっている男子スタッフ達。
閉店作業も疲れ切っていて全然はかどらない。
そこへ売上の締め作業を終えた洋子さんが大声で言う。
「やっと飲めるー!!さあっ、クリスマスパーティー始めるよー!」
まだまだ海斗達の夜は終わりそうになかった。